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本書の始めに私は予言しておく。それは、景気はおそらく99年の後半にはかなり回復するだろうということである。
非常に大胆な見解に思えるが、これは私が民間企業において苦労した経験からいって、おそらくそうなるだろうと言えるのである。そして現実に1998年の10月あたりから好ましい経済の数字が次々と出てきている。---本文より


著 者: 唐津 一
定 価: 本体¥1,333円+税
発行日: 1999年6月4日第1版1刷発行
発行所: PHP研究所
 東京本部 〒102-8331 千代田区三番町3番地10
      第一出版部 電話:03-3239-6221
       普及一部 電話:03-3239-6233
 京都本部 〒601-8411 京都市南区九条北の内町11

PHP INTERFACE http://www.php.co.jp/
              

拾い読み

第五章 こうなる! 再生日本から

東京・大田区に拡がる新技術センター
P.151
 物の輸送と新技術が結びついた時、技術開発のスピードを上げるための新しいシステムが生まれる。これを巧みに利用した工業地帯が、日本に生まれつつある。それは東京の大田区である。大田区というのは小さな町工場が約六〇〇〇ほど集まっている場所だが、世間ではなにかというと中小企業は哀れな存在だと思っている。ところが、全然違うのである。
 新しい技術を開発するときには、まず図面どおりの試作品をつくる必要がある。これは非常に手間がかかる。そこで大田区は考えた。大田区にはあらゆる技術がある。「よし、そういうサンプルをつくるのを引き受けよう」。そこでどうしたかというと、産業プラザというビルをつくった。そこに相談に行くと、その試作品をつくるために必要な技術を持った 中小企業のおやじさんが集まってくる。そして相談しながら、それをつくってしまう。一つのスローガンが生まれた。「夕方発注、翌朝納入」である。
 新しい技術を開発するとき、それをテストするためには必ず試作品が要る。ところが、この試作品をつくるには非常に時間がかかるのである。しかし、大田区に持っていけばたちまちできる。これはあらゆる開発技術者にとって魅力的なことである。近頃ではアイデアを持った大学生までが試作を頼みに来るようになった。
(中略)
 このようなことから理解できたと思うが、これからの経済を牽引していくのはもちろん技術力である。その技術をいかにして実現していくかというときに、情報と時間というものの移動――これらをいかに上手に組み合わせるかということが勝負になってくる。
 このように考えていくと、今あげてきた三つの要件――まず第一に技術開発力、二番目に情報技術、三番目に輸送技術といったものが渾然一体となって使える環境を用意しなければならないことは明らかである。






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