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マエストロの会にて◆「苦行必要なし」と悟って苦行をする◆
楽をしようと思うな

 お釈迦様は苦行三昧したあと、苦行必要なしと悟ります。
なぜか。世の中は全部苦であるから。お釈迦様がたくさんの弟子の前で「苦行必要なし」といったとたん、十人の弟子がいなくなりました。
その十人の弟子は苦行しにいきました。他の弟子は苦行せずに楽をしました。
いまだに名が残るのは苦行しにいった十人の弟子です。なぜ苦行必要なしとされたのに、苦行しにいったか。
彼らは人のためではなく自分のために、「私自身がお釈迦様のように悟りを開き、工夫ができるような人間になりたいと思っているから、私に必要なのは悟りではなく、悟る心境なのです」というのです。
人の道を求めたのではなく、人の道を発見できる自分がほしかったのです。
基礎問題では生きていけない、応用問題が解ける自分がほしかった、というのです。
しかし九五%の人間は凡人ですから、お釈迦様のいうとおり、苦行せず世の中の物事に直面してあたふたすればいい。
 「この世の中は全部苦です」と説いて回ったのが、親鸞、一遍、蓮如です。彼らはすごい苦行をしています。親鸞は佐渡に流されてまでいる。

 みなさんもそうです。私たちが答を出したからと言って鵜呑みにしてはいけない。
答にいたるプロセスを大事にしなければ。孫子を学ぶ、ということはもう一度あなたの会社でバカもやってみてくださいということです。
城を攻めてみることも必要だということです。
ただし、シミュレーションでやることです。
完全な流儀をおさめるためには信条を自分のものにして信条を信念に変えなくてはいけません。
「苦行は必要ない」という信条は簡単ですが、信念とはその苦行をやってみた結果「やはり必要ない」という検証性によって得られます。
 これは計略で相手を屈服させる場合の法則です。計略とは試す心のことです。計略を立てるとは仮説を立てることです。仮説に相手がはまるかどうかはあなた自身が一遍はまってみろということです。

 若山富三郎主演の映画「鬼平犯科帳」で冒頭、鬼平が拷問にかけられる痛さを自ら味わっているというシーンがありました。拷問にかけられる痛さを分からなければ拷問にかける資格はないというわけです。
あなたが自分で試したものを計略としていただかなければいけません。
頭脳の中だけで考えたものはダメ、シミュレートすることです。



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税理士 細野知久
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