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日経産業新聞 1999.4.12掲載
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キャッシュフロー経営 @


予測CF計算書を作ろう

 最近にわかにキャッシュフロー(以下CF)という言葉が新聞紙上をにぎわし始めたが、これは平成十一年四月一日以後開始する決算から証券取引法に基づく有価証券報告書を作成する上場企業に「キャッシュフロー計算書」の提出が義務づけられたことが大きな要因となっているようだ。
 もう一つの側面としては、不況が長引く中で企業の倒産が多発し、金融機関や債権者・株主側から、従来公表されていた財務諸表(貸借対照表・損益計算書・資金収支表等)では十分な情報開示になっていないとの指摘があり、粉飾決算をした場合にもCF分析によりそれを解明できることから、法的な強制がなくてもキャッシュフロー重視の経営をせざるを得ない大きな要因になっている。
 元来中小企業の経営では、資金繰りに失敗すれば黒字でも倒産するといわれ、その視点からCFを無視することはできなかったはずだが、永年にわたる日本全体の借入金依存体質が災いしてそのことが忘れ去られていたにすぎない。むしろ今頃になってCFがもてはやされるのは遅きに失した感がある。
 経営計画書や資金繰り表を提出できない中小企業が金融機関から高い評価を得られないように、これからはCF計算書を開示できない企業は金融機関のみならず債権者・株主からも良い評価を得られないだろう。
 今後は中堅規模以上の会社は法律で要求されなくとも自社の健全な経営のために、CF計算書を作成しなければならなくなると断言できる。
 証券取引法で求めているCF計算書は直接法と間接法とでは多少表現は異なるが、その内容は
一、営業活動によるCF
二、投資活動によるCF
三、財務活動によるCF
に大別されており、それぞれに資金の調達源泉・資金の使途を表現しているが、この情報開示ためのCF計算書は事後的に作成されることになり、従来の資金運用表・資金移動表と内容的には大差ないものとなっている。
 CF計算書を経営に役立てるためには、事後的に作成するのではなく、前記三つの区分に従って自社の資金戦略を表現する手段として、予想CF計算書を作成する必要がある。従来、経営計画書に損益計画書・資金計画書(予想資金繰り表)・予想貸借対照表を添付してきたように、今後は資金計画書に代えて、予想CF計算書が重視されるようになるだろう。

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