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日経産業新聞 1999.4.19掲載
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マネジメント講座

キャッシュフロー経営 A


信頼築いて売掛金削減を

 キャッシュフロー(CF)重視の経営をすることの一番の効用は、損益計算書重視のときに生じた「勘定合って銭足らず」の原因を明確に分析・表現し、それを解消できることだ。
 CF計算書はCFがどのようにして増加・減少したかを表示するものだが、これを経営に役立てるためには、全社員がその意味を理解し、おのおのの項目においてCFが増加するような経営行動を取れるようにしなければならない。
 区分一番目の営業活動によるCFは、文字通り本業によってどれだけのCFを稼ぎ出しているかを表している。間接法では、営業活動CFを増加させる主な要素として、貸借対照表項目の@売掛金の減少A買掛金の増加B在庫の減少などが挙げられる。
 「売掛金の減少」の意味は次の通りだ。本来、損益計算書上の売り上げはCFの増加となるはずだが、掛け売りが増え、回収が遅れればそれは直接CFの増加にはつながらない。具体例では、決算を目前にして売上計画達成のために無理やり売り上げを計上しても、それが売掛金で残ってしまえば(売掛金の増加)当期のCFの増加にはつながって来ないケースが挙げられる。
 業種によって売上代金の回収条件は千差万別だが、基本は現金商売のように売上の計上時点と入金の時点が同じなら、CF計算上の損益計算書との差はプラスマイナスゼロ、それより入金が早ければプラス、遅れればマイナスとなる。
 別のいい方をすれば売掛金の回収期間が短くなればCFは増加するし、欲を言えば前受金で集金できたら売上金額以上にCFが増加する。昨今インターネット上で受注するコンピュータメーカーが増えてきているが、多くの場合消費者が発注と同時に送金をし、入金確認後に発送の手配をする手順になっている。このような仕組みを作り、購入側がそれを了解すれば、資金の回収は相当早くなり、CFの増加につながってくる。
 そのような売り手にとって有利な商慣習を定着させるためには、買い手の論理を理解し、ギブアンドテイクの精神に基づき、魅力ある商品づくりを心掛け、ユーザーにとって「価格が安い・品質に信頼がおける・納期が早い・遠隔地でもメンテナンスに問題がない」などのメリットを提供できることが要求される。それにも増して大切なのは、消費者にとってお金を先に支払っても心配のない信頼できる企業である必要がある。
 買い手がその判断をするのに、旧来の財務諸表による情報公開だけではなくCF計算書や経営理念を含んだ企業の素顔が見える、真の情報公開が望まれている。


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