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日経産業新聞 1999.4.26掲載
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キャッシュフロー経営 B




 企業間取引では営業部門で得意先の与信管理をするにも公表財務諸表にキャッシュフロー(CF)計算書があれば、本業でどれだけ稼いでいるかが一目瞭然となり、旧来の貸借対照表・損益計算書だけに頼っていた財務内容の判定とはひと味違った判断ができる。
 損益計算書中心の売上至上主義の経営姿勢が多くの不良債権を生み出すことは、銀行の貸し出し競争でも証明された。
 売るだけで回収に力を注がない営業担当者は、CF重視の経営をする上ではとても一人前とはいえず、その売掛金が貸し倒れにでもなれば、結果としてタダで商品を配っていたことになり、その損失は売掛金の額だけ純利益を減らしたことになる。
 回収不能となった売掛金など不良債権の発生は、損益計算上は既に売上げとして利益が計上され税金の負担をし、その上それに対応する買掛金は既に支払っているはずであり、CF計算上はそのままCFの減少につながるので二重の意味で経営を圧迫する。

 「買掛金の増加」は営業活動のもう一方の仕入れの側面で捉えて、買掛金の残高が増加するとCFは増加するとしている。
 仕入れから買掛金の支払いまでの期間が長くなれば買掛金残高は増加する。しかしこれを単純に買掛金の支払いを遅らせれば良いととらえるのは短絡的すぎる。それでは仕入先の協力は得られない。
 CF重視の経営において、買掛金の管理をする姿勢は、必要なものを必要なときに必要なだけ購入するシステムをいかにしっかりと維持できるかが重要だ。

 また「在庫の減少」は売上・仕入れ双方の中間にある在庫に焦点を当て、それがCFの増加につながることを表している。
 製造業では、材料・仕掛品・製品の各段階で在庫をいかに少なくするかに注意が払われる。そのためには、材料の加工ミスを減らしたり、納期管理をしっかりとすることで余計な在庫を持たないようにするなどの工夫が要求される。
 メーカーが製品在庫をゼロにするために、完成品はすべて一次卸業者に発送し、在庫を受け入れる体力のない業者は実質的に二次卸に格下げする方針を強行した実例がある。当然その影響は二次卸・小売へと波及した。
 営業活動によるCFは、経営の基本である「少ない元金でできるだけ多く稼ぐ」を実現するためにどれだけ当たり前のことを当たり前にただしコツコツと続けられるかによって決まる。
 その為には、営業活動の中心である仕入れから売上・現金回収までの期間をいかに短縮するかが重要になる。

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