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日経産業新聞 1999.5.2.掲載分
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キャッシュフロー経営 C


CF計算書は直接法で

 上場企業に提出が義務づけられたキャッシュフロー(CF)計算書は結果報告である。従ってその大多数は貸借対照表と損益計算書を分析して作成される間接法によるCF計算書になると予想されるが、中小企業で予測CF計算書を作成するときは直接法によるCF計算書が脚光を浴びるだろう。
 直接法では、営業活動によるCFは、営業収入から材料費・仕入・人件費支出を控除し、利息および配当金の受取額を加算し、利息の支払い額を控除、さらに法人税等の支払い額を控除して計算する形式をとっている。
「経常収入欄」で現金売上高・売掛金回収高・受取手形期日入金・前受金・受取利息・雑収入と加算し、「経常支出欄」で、現金仕入高・買掛金支払高・支払手形決済額と集計し、さらに人件費・製造経費・営業経費・一般管理費・支払利息を集計する、資金繰り表の「経常収支の部」と考え方がほぼ同じである。
 大企業でこの内容のデータを日常業務の中で集計し、予測してゆくのは至難の業であろうが、中小企業においては、この直接法の形式で予測CF計算書を作成することはそう難しいことではない。
 日常的に金融機関との接触の中で、資金繰り表を作成している企業なら三ヶ月先位までは、実額で把握できている。その先の数ヶ月も得意先・仕入先との支払条件が決まっていれば、手形取引があったとしても資金化までの日数も把握できるはずである。
 経営計画書の作成をすれば、当期の売上高・仕入高はもちろん人件費・経費・支払利息の額は必ず把握しなければならない。
 ただし損益計画と予測CF計算で大きく異なるのは、損益計画ではその数字はすべて「発生主義」の考え方によって把握され、CF計算書(資金繰り表も同じ)では、現金の動きに着目して集計がなされるところである。
例えばCF計算書では、損益計算書を作成するときに費用となる項目で現金の支出を伴わない減価償却費や退職引当金などの諸引当金は集計されず、その一方で営業保証金支出は損益に関係しないがCFの減少項目として集計される。
 「貸借対照表は資金繰りの通信簿」といわれるのは「借方は資金の使途」、「貸方は資金の調達源泉」であり、CFの増減結果を表示しているからである。
 この営業活動によるCF(資金繰り表では経常収支にあたる)をいかに増やすかがCF重視の経営の中心課題となる。

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