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日経産業新聞 1999.5.10.掲載分
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マネジメント講座

キャッシュフロー経営 D


難題の解決策、計画段階で

 キャッシュフロー(CF)重視の経営をするために経営計画は不可欠である。筆者は経営計画策定のお手伝いをするときに、常に「損益と資金は計画の段階で決まってしまう」と申し上げている。しかし多くの中小企業では、しっかりとした計画も立てずに場当たり的な経営をしているのが実状である。計画が中途半端でやって見なければ分からないようでは、この厳しい時代に勝ち目は無い。
 当期の経営計画立案に当たっては、業績不振ならその原因を確認し、その克服のために具体的にどんな方法がとれるかを検討する。解決策を計画段階で綿密に練り上げ、@売上げを確保するA固定費を削減するB材料費などの原価を削減するC製造工程の見直しで不良率を下げる等のどこに重点を置くべきかを決め、実行段階では計画との乖離をいかに縮めるかに全力を投入すればよい。
 しっかりとした経営計画に基づいて営業活動によるCFを充分に稼ぎ出せるかどうかが経営の勝敗の分かれ目となる。
 このように営業活動によるCFは当期の業績を中心に表現するのに対し、投資活動によるCFは将来の利益の獲得のために翌期以後の中長期的な投資戦略を表わす。
 営業活動CFの範囲内で設備投資をするなら将来も資金的に困ることはない。それでまだ余裕があればその差額がフリーCFとなる。フリーCFに余裕があれば、内部留保ができ、貸し渋りに対抗できる体力を蓄えることが可能となる。
 支出した額がその決算期の経費になるなら、実感としてCFと損益計算が一致する。その意味で「情報通信機器の即時償却」を認めたパソコン減税のような制度は企業の設備投資意欲を大いに刺激するだろう。
 また現在盛んに行われている遊休資産の売却は、資金に余裕をもたらし、投資活動によるCFではプラス要因となる。
 有価証券投資は、証券バブル状態のときにやったような、単に証券市場に投資して運用益を稼ぐ方法ではなく、事業の連携を強めるために関連企業に出資をするような本業に密接に関係のある分野に投資するのが本来の姿だ。計画経営を提唱する立場からは、中小企業にも経営戦略としての設備投資・有価証券投資そしてその延長線上にある財務活動CFまで織り込んだ中期・長期経営計画の策定をお奨めしたい。

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