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日経産業新聞 1999.5.17.掲載分
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マネジメント講座

キャッシュフロー経営 E


資金活用の活用のバランスが重要

 財務活動によるキャッシュフロー(CF)も投資活動によるCFと同様に企業経営に対する基本姿勢と資金調達戦略で決まる。
 経営姿勢として、あなたの会社は将来もずっと同族企業のままで行くのか、それとも従業員持株会を組織し、全員参加型の企業にするのか、さらにはストックオプションなどを活用し公開を目指すのか、その方針によって自ずと取るべき資金戦略は変わってくる。
 また、設備投資などの必要資金を従来のように借入金に頼るのか、それとも自己資金で賄うのかによってもその方向が異なる。借入金により設備投資をする場合でも、まず出来る限り営業活動によるCFから捻出し、それでも不足する場合に借り入れをし、減価償却の期間とのバランスを考えて返済期間を決定する。借入金依存体質から脱却したいのなら自己資本を充実させる必要がある。それには、営業活動によるCFを充分に稼ぎ出し内部留保をするか、あるいは増資をするしかないが、いずれもすぐに出来ることではないので数年間にわたる計画と着実な実行が必要となる。
 業績さえ良ければ、会社は期末に決算賞与を支払い税金の負担を少なくし、従業員はその中から会社に資金を貸し付け利息を受け取れば、1%にも満たない預金金利を当てにするより遥かに高利回りの運用が出来る、あるいは従業員持株制度を採用しているならその資金で株式の払込をして業績が上がれば配当を得られ、会社は自己資本の充実が図れる、と会社にも従業員にもメリットがある美味い方法がある。
 ベンチャー企業がその技術を買われベンチャーキャピタルからの投資を受けたが、その使い道にしっかりとした戦略を持たずに過大な設備投資をしたり、急激に事業規模を拡大して破綻した多くの実例がある。このように資金戦略を明確にしなければいくら資金が潤沢にあっても、資金効率が悪化し、かえって業績を悪化させることになる。
 キャッシュフロー重視の経営の本質は単にキャッシュを多く獲得するだけでなく、稼ぎ出したキャッシュをいかにバランス良く有効に活用するかにある。

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この項おわり

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