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JDL Avenue vol.12 1999.1掲載
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経営計画編 vol.2

無借金経営への道程 2


創業の理念を再認識しよう2

 いよいよ21世紀まで余すところ2年となった。昨年までは現状の資金繰りをどうするかに重点を置いた話題が多かったが、今年からは、今日から明日へ向かってどのように生きて行くべきかを考えよう。
 しかしこのように不景気が長く続くと、資金繰りに追われるあまり、社長も従業員も働くことの意義を見失っているのではないか。
 そんなときこそ、もう一度ここで立ち止まって創業の理念を再確認する必要がある。  その具体的なやり方は
「なぜ働くのか」
「なぜこの仕事なのか」
「なぜ自分でなければならないのか」
「なぜ○×億の売上が必要なのか」
「なぜ年収○×万円必要なのか」
「なぜこの値段でなければならないのか」
 自分で多くの「なぜ」を準備してそれに答える。
 そして、会社についてどうしたいのか又どうしなければならないのかが明確に答えられるようになったら、次には「それでどうするの?」という子供がするような素朴な質問に答えられるかを、更に考える。

 日頃私自身も「計画の無い経営は羅針盤の無い航海のようなもの」だと言って経営指導をしてはいるが、その反面、売上高が○×億円、従業員が○人、○年には自社ビルを建築する等通常どの企業でも目標としているものが、いかに表層的なものであるかを知り、その奥にある「経営の心」がしっかりと明示できない限り、企業は闇雲に膨張し続け、際限なく「もっともっと」を繰り返さざるを得なくなることを、しっかりと認識できるまでに考えを深めねばならない。

 多くの経営者は、業績が上がっているにもかかわらず、際限の無い数値目標を追いかけていて「それで何なの?」という子供でもできる素朴な質問にすら答えられない空虚さを味わったことがあるだろう。その空虚さはどこに起因しているのだろうか。もう一度自分で考えてみよう。

図−1

図−2

経営理念とシステムの勝利

 無借金経営への道程と題したこのシリーズでは、その道しるべとなるべきポイントと具体的な手法、そして全国で活躍している様々な企業の実例を紹介して行く。
 その手始めとして今回はネットワーク経営の見本ともいえる、全国の自動車修理工場にリサイクルパーツを供給するNGPグループと、NGPグループの商品開発やシステム作りをしている株式会社スーパーラインを紹介する。

 NGPグループは、バラバラでは決して強いとはいえない多くの中小企業が一つの理念の下にネットワークで結ばれ、個々の企業の力以上の実績を上げている格好の事例である。

 NGPグループの組織化と情報ネットワークの基本は齊藤貢社長の「何故まだ使えるのに潰してしまうのだろう」という素朴な疑問から出発している。
 自らも解体車から部品を外した経験のある齊藤氏は中古車が目の前で大きな音を立てて次々にスクラップされて行く光景に、潰されて行く車の悲鳴を聞き、全身が震えるのを止めることができなかったという。
 それが「地球環境が危機に瀕しているのに大量生産大量消費をこのまま続けていて良い訳が無い」という確信となり、NGPグループに参加してからは、全国各地をくまなく回り熱心に参加企業を勧誘し続け、その結果今もなお参加企業は増え続けているという。

 またシステムの開発にあたっては、目先の利益を追うことなく、永い目で見て正しいことをすることを心がけたという。参加企業が利益を上げられなければネットワークが動き出さないことを予感し、「リサイクルパーツをより多く使ってもらう為にはどうすればよいか」を考え、参加企業が利益を上げられるシステム作りを優先し、リサイクルパーツを使う側を開拓するための大々的な宣伝の前に、どのような需要にも対応できる量を確保するために部品を供給する側の力を付ける必要があると説いている。
 もし齊藤社長が、株式会社スーパーラインの利益を優先していたらこの組織とシステムは決して実現しなかったと思われる。

 見学をさせていただいた参加企業の工場で、中古車から取り外される部品の一つ一つが息を吹き返して行く様子は、傍らから見ているだけでもワクワクする。そして、その仕事をしている社員の一人一人が実にいきいきとしている。これは全員が一つの理念の下に統一されていることの絶大な効果だろう。
 その理念こそ「安心・安全・信頼」を基本に地球環境保護、省資源、低価格、高品質、安全性ををベースとしたより良い車社会の実現の為に全力を尽くすことだとされている。

企業は道場

 私共の事務所では、社長も従業員も、同じ様に仕事によってしか自分を磨くことはできないということを理解していただく為に「企業は道場」を合い言葉のひとつとしている。
 会社で仕事をすることがそのまま人生修行だと言えるには、その会社を運営する経営者の心構えがどのようなものかが大切な要素になる。
 だからこそ、経営者は常に「何の為に」と自問自答を続け、企業の理念を立派なものにしなればならないし、そうなれば社長も従業員も全力を尽くして仕事をしているだけで自然に人格の向上がはかれ、企業も発展して行く。


*NGPグループ
 1985年(昭和60年)に結成され現在第3代会長の矢田充氏を筆頭に2名の副会長の下に、教育部、システム部、組織部、ブロック部の4事業部門によって組織を運営している。
 平成10年10月現在、北海道から九州まで全国加盟会員数125社、170拠点のリサイクル部品流通企業集団。
 地球環境保全を事業理念の基礎に据え、リサイクル部品の流通を通じて社会に貢献する一方、事業の積極推進によって業界そのものの拡大を目指している。個々の企業規模を組織力でカバーし、独自のプログラムに基づく教育にも力を入れている。

NGPホームページのURL
http://www.ngp.gr.jp/

*株式会社スーパーライン
 NGPグループの理念確立のために側面的な支援を行い、業界発展の目的で国際的な視野に立った思考で事業展開を行うために設立された。
資本金 4,065万円
代表取締役 齊藤貢氏(50歳)
三重県鈴鹿市南江島町12-3江島オフィスビル
電話0593-87-8047
FAX 0593-80-2145
その後、同社の住所等が変更になりました
住所:滋賀県長浜市八幡中山町477 風の街ビル
代表取締役 徳原 栄二
電話 0749-63-8864
FAX 0749-68-2131


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