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経理実践トレーニング 経営計画編 vol.4 無借金経営への道程 4 ネットワーク経営 中小企業では、経営資源の基本とされる人・物・金・情報のどれを取ってみても質・量ともに大企業には遠く及ばない。しかし、その状況の中からでも中小企業同士が力を合わせることにより、大手企業に負けない力を発揮することができる。このシリーズで幾度も申し上げている「小さな組織、大きなネットワーク」による経営の実現である。その数少ない成功事例として「ハイネット21」をご紹介する。 「ハイネット21」はオルガナイザーとして中小企業を組織化し、参加企業が連携することで、各企業固有の経営資源を活用し、コスト削減・技術交流ばかりではなく、中小企業が単独ではなかなかできない新製品の開発なども可能にしている。 参加企業の事業内容をみてみると、電源装置関連がもっとも多く、計測器・試験器関連、自動機・FA制御関連、ソフト、特殊機器製造などの業種の企業が名を連ねている、その中身は発電機、試験装置、安定化電源、プリント基板、電子部品、整流器、電源トランス、筐体、銘板、マイクロスポット溶接機など物を作るために必要なおよそ考えられるほとんどの業種にわたり、その他空調設備、板金、電子部品販売、ケーブルハーネス、電気通信、コンピュータ及び情報システム開発、変わったところでは家庭用雑貨の組立業や生保・損保の代理店、健康飲料等の販売などもある。そのいずれもがお互いに欠かすことのできない存在となっている。 部会委員会活動 日常の具体的な活動としては、部会や委員会が設けられ各社の役員・技術者が必要に応じて会議に参加している。 たとえば仕入部会では、各種部品・配線用ダクトなどの部材を参加企業又は外部の業者から共同購入する事で仕入れコストの削減をはかっていく。トランス委員会では、電源トランスの技術交流を行いハイネットブランドの電源トランスを開発しハイネット21として販売している。 営業・技術部会では、パソコンの普及が進む中でますます需要の増加が見込まれるUPS(無停電電源装置)や電動走行車などの新製品開発について活発な討論がなされている。最近の活動の中では、フレームレスの構造品としてできる限り共通化を図るために、各社の構造設計者を集め、板金委員会を新設することが検討され、平成10年3月には板金委員会が発足し、第1回板金セミナーが開催された。 ビジネスチャンス交流会 会合の時には必ず数社が自社製品の紹介や得意な技術など取引に関する情報を公開をし、新たなビジネスを生み出す工夫をしている。その他、公的な助成金の申請方法やその書類の書き方などの様々な業務ノウハウも提供している。最近では中小企業創造活動促進法に基づく認定企業(埼玉第645号)となった熊谷技研株式会社が開発したオゾン発生装置「森の温泉」が紹介され早速参加企業各社が試用し、販売代理店として動き出している。 毎年恒例となっている新春研修会では外部から講師を招いて、製造技術ばかりではなく他業種の営業戦略や社会情勢あるいは貸し渋り問題への対処方法など多岐にわたって熱心に勉強をしている。 インターネットのホームページは事務局の深澤氏により運営され、ウェブ上では各部会の活動状況の報告や、参加企業のリストを掲載したり各社のホームページにリンクを張ったり、参加企業の商品紹介をするサービスも提供するなど積極的に活用している。 メンバーの献身が必須 現在の代表取締役である阿部敏夫氏は有限会社ニスタックの他にも直流安定化電源の製造をするスタビライザー・山形スタビライザーの代表者でもある。氏は93年に取引先の医療器具会社の倒産が発生したときには、既にそのころから兆候がでていた金融機関の貸し渋りが重なり廃業寸前まで追い込まれ、一時事業規模の縮小を余儀なくされたが経営の効率化により乗り切ってきた。その後ハイネット21の参加企業との取引を通じて更に業績を伸ばし今では参加企業との取引は受注で年商の1割・仕入で3割を超えているという 。また平成9年には東京都から省電力電源装置開発の助成金を得たという。 阿部氏によれば、このグループが今後も発展してゆくには、各々が自社の利益を優先することなく「ギブ・アンド・テイク」の精神で、まず他に何らかのメリットを与え続けることが重要だという。氏がいくつもの会社を経営する多忙な中でもハイネット21の代表を引き受けているのもそんな心の現れの一つであろう。 株式会社ハイネット21 〒113-0034 東京都文京区湯島1-11-8 代表取締役 阿部敏夫 TEL 03-5689-0021 FAX 03-5689-0029 株式会社ハイネット21の沿革 平成7年 参加企業34社、資本金33百万円で設立。平野信幸氏が代表取締役に就任。 平成8年 参加企業56社に増加。ベンチャーキャピタル2社「ニッセイ・キャピタル株式会社」と「大東京火災海上保険株式会社」から増資を受け、資本金が66百万円となる。 平成9年 参加企業が65社に増加。代表取締役が阿部敏夫氏に交代。 平成10年 参加企業が74社に増加。 |
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