[表紙へ戻る] 日本国憲法 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
経理実践トレーニング 経営計画編 vol.7 無借金経営への道程 7 工夫が革命を生む 東京にフラミンゴという名の運送業者の融通配車のネットワークがあり、メンバーの一員である株式会社すみれの真下社長にお話を伺う機会を得た。 フラミンゴは以下の三つの特徴を持っている。 @参加型ネットワーク(統制型を排除し、階層を打破する) Aセンターレス(事務所も人もいらない) Bアウトソーシング(余計なものは買わないで必要に応じて借りる。効率的に仕事を任せる) このグループの成功の要因は、自分だけが儲けようとする発想を捨てたところにある。 このシステムなら自分の会社ではできない仕事を他のメンバーに回すことができる。 中小企業は経営資源である人、物、金、情報すべての点で大企業に劣っているのが当然だと思い込んでいると、目の前に大きなビジネスチャンスがあることに気づかず衰退への道を進むことになる。 前回ご紹介した西部電機の森社長が「ないないナインコード」をお話くださったときに「無い無い無いは工夫が足りない」とおっしゃっていたが、今回ご紹介する事例はその工夫があれば、中小企業でも立派に経営資源を持ち、活用できることを証明している。 ポケベルが救世主 情報革命が言われて久しいがこのグループも当初は情報イコールコンピュータと考え失敗を経験している。そこで諦めてしまえば、単純に一つの失敗例だけが残った。しかし、彼らは諦めなかった。電話も立派な情報機器、要は使い方次第であるが、彼らはポケットベルが立派な情報機器であることに気付き、そこに活路を見出した。 その事業の基本コンセプトは、「情報という小さいもの(電子)は多く動かし、大きいもの(物体)はあまり動かさない」工夫をしたところにある。 以下、できるだけ正確にお伝えするために同会が「トラック事業情報通信システム活用コンテスト」に応募し、受賞したときの資料から引用する。 (資料より) 1.システムの導入経緯 1.1 導入前の事業運用状況および課題 自動車交通公害による大気汚染、若年労働人口の減少にともなう労働力不足など、貨物自動車運送業の事業環境には難問が山積している。東京都トラック協会壮年部では、とくに中小の運送事業者がこの事態を改善するには協業共同化が不可欠であるとの考えから、事業者間の情報ネットワーク導入を研究してきた。 まず、平成元年2月にパソコン通信ネットワーク「BR−NET」を会員12社で始めた。費用負担の少ない無手順の通信プロトコルで、主に傭車情報の交換を目的とした。しかし、これはほとんど使用されることなく失敗に終わった。通常、傭車情報の交換は配車担当者が電話で知己の事業者と行う。これを「BR―NET」で行うと、情報入力に手間が掛かるるうえに、情報を入力しても瞬時に応答が得られない。傭車は、荷主の要請を自社所有の車両でまかなえないとき行うので、荷主の要請に対して迅速な応答が求められる。「BR−NET」は、このクイック・レスポンスという要求に応えられず冬眠してしまった。この失敗で、パソコン通信ではリアルタイムの情報交換が難しいことを学んだ。 1.2 導入前に発生していた課題・問題点 トラック運送事業の運営は、配車業務に大きく左右される。配車は時々刻々変化する諸条件下で、その時点での最適解を出していかねばならない情報処理業務である。運転者の遅刻、急病による欠勤、荷主の急な求車要請、あるいは交通事故などの不測事態に自社の資源だけでは対応しきれず、近隣の事業者同士が協力し合うのが通例である。この通信手段に電話やファクスが使われているが、配車担当者にとって充分と言えるツールではない。早朝に運転者が定刻までに出社しなかったり、荷主から急な求車依頼があると、配車担当者はすぐに知己の事業者に電話で次々に傭車依頼をしなければならないことを考えて、迅速に対応できるか否か胃の痛くなる思いをする。 (中略) 1.3 導入の意思決定経緯 平成2年12月1日施行の「物流二法」で区域免許事業者の積合せ輸送が可能となり、平成4年には運輸省の政策課題に物流情報EDI化推進が取り上げられたこともあり、壮年部情報システム分科会では中小事業者の協業共同化による生き残り戦略研究に拍車が掛かった。 協業共同化の原点となる配車担当者同士がリアルタイムで迅速に情報交換ができる情報システムについて、分科会会員によるブレーン・ストーミング形式での研究で、ポケットベルを使った情報システムが練り上げられた。EDIの理念に基づく情報コード体系、サイバネティクス理論により考案された情報伝達システムは、配車担当者が容易に使え、且つ設備投資も運転費用も中小事業者の負担にならないもので、情報システム分科会会員のみならず東京都トラック協会青年部と婦人部の有志も参加して、会員55社により平成5年6月から「フラミンゴ」の愛称で実験開始となった。(中略)さらに、開発したシステムはその新奇性が認められ、平成8年に特許(「配車要求情報システム」:特許第2519164号、「融通配車システム」:特許第2095837号、「物流情報システム」:特許第2594500号)が付与された。 2.導入システムの概要 2.1 機器・システム構成 ディスプレイ・タイプのポケットベル(現在はNTTDoCoMoの「インフォネクストD11」を使用)を、ネットワークに参加している全会員事業者の配車担当者に持たせて、求車情報交換を行う。ポケットベルへの情報入力は、電話で12桁の数字からなる暗号を用いる。ポケットベルの一斉同報機能で、全配車担当者は入力された数字を即、同時に確認できる。例えば求車情報が出て、それに対応できる配車担当者は、情報を発信した配車担当者に電話をし、運賃などの詳細内容を確認して条件が合えば成約となる。成約した場合には、情報発信者が成約を表わす6桁の数字をポケベルで流す。 また一般の顧客にたいしては、インターネットの「フラミンゴ」のホームページ (http://www.flamingo.gr.jp/) から漢字仮名交じり文で用件が入力できるようにしている。入力された文は、即座に配車担当者のポケットベルに表示される。キーボード入力ができない顧客は、電話から電話番号を入力しても良いようにしている。ホームページには、会員紹介ページがあり、所在地や得意分野が記載されているので、それを目安に一般顧客から直接会員に問合せもできる。(中略) 2.2 機能説明 ポケットベルの持つ、@一斉同報通信機能、Aディスプレイによるメッセージ通信機能、Bメモリー機能によるメッセージ受信時刻と内容の記録並びにFIFO(先入れ先出し)による自動記録消去、そしてCベル吹鳴あるいは振動による情報受信告知機能を活用して、低コストで、簡単な操作で、誰にでも間違えなく扱えるシステムを構築している。 (添付図2.2.1) 情報発信は求車、求貨のいずれも可能だが、求貨情報は緊急を要しないので現在は求車情報発信についてのみ使用している。求車は、空車両の有無を確認することが最初に必要なことで、詳細条件は車両を提供できる相手と煮詰めればよい。そこで発信情報は、最小限の傭車条件を、添付の表に示す傭車依頼コードに暗号化したメッセージとした。配車担当者が通常電話で用いる表現を整理して、12桁の数字に置き換えることで電話から容易に入力でき、間違いが少ないようにしている。とくに、使用桁数と入力ミス発生頻度は正比例するので、必要最小限の数になるように工夫している。荷の発地場所、着地場所については、郵便番号の頭の3桁を用い、日本全国共通に使えるようにしている。 (以下略) 株式会社すみれの概要 代表取締役 真下芳隆 資本金 1千万円 設 立 1958年3月 従業員 17名 電話 03-3816-1231 FAX 03-3816-1233 http://www.sumire.co.jp/ sumire@blue.ocn.ne.jp |
||
|