[表紙へ戻る]


日本国憲法

金融アセスメント法


企業理念
My Opinion
経理の質問箱


週間Qup通信
経理実践トレーニング
如是我聞
宮本孝の金融教室
野口レポート


私の本箱から
Let's Study
Let's Enjoy
リンク集
プレゼント
BenefitStationロゴ

JDL Avenue vol.45 2004年3月

経理実践トレーニング 資金戦略編 vol.13

資金調達先で考える 4


直接金融への新しい動き

 今の日本経済の停滞感は、大企業中心の経済政策が行き詰まっていることが原因している。だからこそ、これから伸びる可能性のある中小企業に積極的に投資資金が集まるような施策が必要とされている。
 しかし現状の日本では金融ビッグバンの号令の下で、 大企業を対象とした、不動産の証券化・売掛債権の証券化・企業グループ内での資金管理(CFM)など金融システムを大きく動かす新しい仕組み作りは着々と進んでいるように見える。
 その一方で中小企業分野に目を転じてみると、旧来の間接金融の仕組みの破壊には見事に成功を収めたが、その受け皿となるべき直接金融の新しい仕組み作りでは、充分な手当が打たれていないと言える。
 直接金融の代表格である証券市場を見ると、税制などに対して国の打つ手は未だに大規模企業を中心とした上場株式の売買を念頭に置いた施策が中心になっている。
 第二次大戦直後の全てがなかった時代に果敢に起業をし、今日大企業となっているソニーもホンダもその時代は中小企業だった。但しそれは将来の日本を考える志の高い、情熱あふれるものだった。そのようなこれから伸びていこうとする中小企業を中心に据えた資本市場の動きが、漸く昨年あたりから見えてきたので、貴方の会社でもこれからの資本政策を検討する上で参考にして欲しい。
 それは、グリーンシートと呼ばれる新しい資本の発行市場である。

流通市場と発行市場

 私達は直接金融というとすぐに証券市場とか株式投資という言葉を思い浮かべるが、その実体を正しく理解しているだろうか。
 証券市場における国内の資金の動きを見ると、流通市場における資金は約200兆円といわれているが、その資金は、売買による差益を目的として、証券市場の中で回っているに過ぎない。
 そしてその資金ボリュームは1,400兆円といわれる個人の保有する金融資産全体のおよそ19%に過ぎない。
 また発行市場という観点からは、上場企業が1年間に新規に発行する株式は約4,000億円と小さく、その企業数は3,700社に過ぎない。
 つまり、今までは直接金融といえば証券市場を指し、証券市場といえば、それは流通市場を指していた。そして発行市場は証券会社のためだけに機能していたと言っても過言ではない。

図−1 日本と米国の証券市場の違い

sikinsenryaku13_1.gif

 その一方で従来金融資産の54%は預貯金等、27%は保険等で間接金融の原資となって銀行経由で企業に貸し付けられてきた。その膨大な資金が、国の長年にわたる低金利政策で魅力を失ってしまったのに預貯金から一気に株式市場に資金が移動しないのは何故だろう。
 それは「発行市場」へ資金が移動する為の仕組みがなかったからに過ぎないのではないだろうか。
証券市場の機能が「流通」だけに偏り、優秀な中小企業が発展して世の中の中心に躍り出るために必要な資金を集めるための「発行市場」が無かったのが原因している。それをカバーしようというのが、これからご紹介するグリーンシートと呼ばれる「発行市場」の考え方である。

図−2 間接金融を補う直接金融は?

sikinsenryaku13_2.gif


少人数私募債の限界

 このシリーズでも何度か言及している少人数私募債も、結局は資金の調達先を金融機関から縁故者に変更したに過ぎず、いずれ返済しなければならない「債務」としての性質は変えるわけにはいかない。しかし、間接金融に頼れなくなった今となっては、事業規模の拡大に伴う資金需要は安定した資金として確保しなければ、安定した経営を確立することは出来ない。
 既に少人数私募債を実行している企業にとっては、その精神を活かしながら、資金提供の縁故者を「債権者」から更に一歩前進して「株主」として迎え入れることで「自己資本」の充実を図ることが出来る。

図−3 株主の権利と経営者の責任
sikinsenryaku13_3.gif
 間接金融システムが崩壊してしまったと同様の今、戦後50年続いてきた金融機関からの借入金による「疑似資本金」に変わるものとして、「疑似」を取り去ったところの本当の「資本金」による企業の成長を支える資金を集めようとしているのがグリーンシートである。
(次号へつづく)



●参考図書
「グリーンシート」
   〜直接金融市場革命〜
著 者:ディーブレイン証券社長・公認会計士 出縄良人
発行所:株式会社 文芸社
2003年8月31日 初版第1刷発行

●ディーブレイン証券のホームページ
http://www.d-brain.co.jp/index.html


中央会計事務所
税理士 細野知久
  〒179 東京都練馬区早宮2-17-37
TEL03-3933-0266 FAX03-3931-4400