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全郵政ジャーナル 2002年7月号

企業会計入門 3

財務諸表で分かること
 企業を評価・分析するのに財務諸表が重要な役割を持っていることはお分かりいただけたでしょうか。
 では、財務諸表でどんなことが分かるのか個別に中身を見て見ましょう。

《貸借対照表》

 貸借対照表は、借方(左側)に資産、貸方(右側)に負債と資本を表示して左右の数値が一致することから、別名バランスシートともいわれます。
 右側はどこから資金を調達してきたかを表し、負債は一般的にいわれる「借金」に相当する性質のものです。従ってその金額は企業にとってはいつかは返さなければならない額なのです。そんなところから「他人資本」とも呼ばれています。
 それにたいして「資本」は株主などから払い込まれた資本金などと企業が過去に稼ぎ出した利益のうち留保された額から成っています。これは企業が解散するまでは返す必要のないもので、「株主持ち分」とか、「自己資金」などと呼ばれます。
 余談になりますが、株主には「利益配当」という形で出資の額に応じて配分を受ける権利や株主総会に出席して議決に加わる権利が与えられています。企業の経営者(取締役)は、株主総会において任期2年ごとに選出され、経営を委託された人なのです。その意味では、一般の社員と異なり2年経ったらそれで退任ということがあり得るのです。
 また、左側に表記される「資産」は企業を経営していく上でのさまざまな財産をどんな形で持っているかを表します。その内容が1年以内に資金化するものを「流動資産」といい、現金をはじめ預金・売掛金・受取手形・在庫商品・短期貸付金などがあります。これにたいし「固定資産」は1年以内に資金化しない、建物・土地・機械設備などの「有形固定資産」と呼ばれるものや特許権・営業権・借地権などの「無形固定資産」、出資金・子会社株式・保証金などの「投資等」と呼ばれるものがあります。

《損益計算書》



 貸借対照表が企業の一定時点の財政状況を表すのにたいして、損益計算書は一定の期間の経営成績を表します。
 損益計算書では、下記の5つの段階に分けて損益を表現します。
@ 売上総利益 A 営業利益 B 経常利益
C 税引前当期利益 D 税引後当期利益
 まず「売上総利益」は、「売上高」から仕入や材料費などの「売上原価」を差し引いた金額です。一般的には「粗利益(あらりえき)」といわれています。
 売上総利益から「販売費および一般管理費」を差し引いたものが「営業利益」です。
 ここまでで本業でどのくらい儲かったかが表されています。
 次には、本業のほかに財務的な収益や費用などを加味したところまでの損益を計算しますが、それは「営業利益」に営業外収益と営業外費用を加減したものが「経常利益」として表現されます。「けいつね」と表現する人も多いですね。
 そして「経常損益」に特別利益と特別損失を加減すると「税引前当期利益」が計算できます。特別損益とされるものには、普段発生しない火災による損益、土地などの不動産やゴルフの会員権などの投資物件の売却損益など、または関係会社の有価証券の売却損益などがあります。
 最後に「税引前当期利益」から法人税などの税金を差し引くと「(税引後)当期利益」となります。
 この「(税引後)当期利益」が「前期繰越利益」とともに株主総会で決議される「利益処分」の対象として配当金や役員賞与などの原資となるのです。
 次回はキャッシュフロー計算書です。



中央会計事務所
税理士 細野知久
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