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野口レポート153
   相続の神様の言葉




◆相続人の確定◆

 相談者様から「相続コーディネート」の依頼を受け、最初にすることは相続財産の棚卸しと相続人の確定です。
棚卸しで相続税課税の有無(名義預金に注意)を調べます。遺産が相続税基礎控徐のなかに収まれば申告義務はありません。
基礎控除を超えた遺産には相続税が課税されます。超えた額が少なければ税理士をセットし、小規模宅地の特例等で財産の評価を減じ、相続税の申告をすることで相続税は課税されません。
相続税が課税されない人、申告することで相続税が課税されない人、相続税が課税される人、相続にはこの3通りがあります。
同時に相続人の確定作業も進めます。司法書士や行政書士などの専門職にお願いし、被相続人(故人)に生殖能力が生じた頃まで戸籍をさかのぼります。難度と責任の重い力仕事です。
この確定作業で予期せぬ相続人が見つかることがあります。遺産分割は多数決では決まりません。共同相続人全員の合意が必要です。
1人でも相続人が欠けていた遺産分割は無効となります。
生前の相続対策には大きく分けて、「遺産分割対策」「相続税納税対策」「相続税節税対策」があります。ところが、この3つの対策は性質が違い同じ方向を向いてくれません。どれを優先するか見極めることが重要です。ここを誤ると相続対策は失敗します。


3年ほど前にAさんから相続対策の相談を受けました。兄弟姉妹の仲もよく、遺産分割や相続税納税の心配もありません。相続税を減らす節税対策を優先することにしました。
仕事を受けるにあたり、依頼者様に推定相続人の確定作業をすることを伝えました。Aさんはそんな必要はない、子供は私達以外にはいないから、大丈夫とのことでした。
生前の相続対策で推定相続人の確定は必ず必要です。作業を進めると、推定被相続人のおばあちゃんが再婚で前婚者との間にBさんがいることが判明しました。Aさんには青天の霹靂です。
頭のなかに、遺言作成と遺留分がよぎります。だが、その前にAさんに理解していただく大事なお願いがあります。
Bさんがいることを今まで伏せてきた、おばあちゃんの心情を察していただくことです。この事実を子供達が知ったと分かれば、おばあちゃんは辛い思いをするでしょう。知らぬふりしてそっとしておくのもおばあちゃん(母親)への思いやりです。
予期せぬ推定相続人の発覚で遺言作成と遺留分対策が最優先になりました。おばあちゃんは優しい人です。まだフタは開いて(相続開始)おらず、異父兄弟にもお会いしていません。だが、おばあちゃんの血筋ならば、Bさんは優しい人のような気がします。
遺言を執行しないで話し合いで解決できれば、新たな良縁が生まれる可能性もあります。拒否するのではなく、受け入れてしまう発想も相続の実務では大切です。





中央会計事務所
税理士 細野知久
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