中小企業基本法・附帯決議
中小企業基本法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、長期低迷する我が国経済を早急に回復させるため、引き続き適切な景気対策を講じつつ、中小企業が我が国経済活力の源泉であるとの認識の下、中小企業の多様で活力ある成長発展を図るために一層の努力を傾注するとともに、本法施行に当たり、特に次の諸点につき、適切な措置を講ずべきである。
1.中小企業者の範囲の拡大に伴い、既存の中小企業者に対する施策が手薄とならないよう、特に小規模企業や個人事業者に対し十分な配慮を払い、これら企業を支援するきめ細かく、メリハリの効いた施策の一層の充実に努めるとともに、本法に基づく各般の施策の実効を確保するため、必要な制度整備、予算等の確保に努めること。また、大企業系の企業が中小企業に該当することとならないよう留意すること。
2.本法に係る中小企業者の範囲に係る常時使用する従業員についての解釈は、雇用実態等を勘案しつつ、原則として、二ヶ月を超えて使用される者であり、かつ、週当たりの所定労働時間が、当該企業の通常の従業員と概ね同等である者とすること。なお、パートタイム労働者に依存せざるを得ない中小企業が多くなっている実態等を踏まえ、経済情勢の変化等を迅速・適確に反映させるため、今後とも中小企業者の範囲に係る基準を含め、十年程度を目途に本法の見直しについて柔軟に対応すること。
3.中小企業者が行う失業者・高齢者の受け入れ等、雇用の確保・創出および従業員の労働条件の向上のための努力並びに技能・技術の継承および人材育成等、ものづくりのための基盤技術の振興努力に対し、特段の支援措置を講ずること。
4.中小企業者に対し積極的に各種施策の周知に努め、各種支援措置を中小企業者にとって分かりやすく、使いやすいものとするため、中小企業施策情報に対するアクセスを容易化しつつ、中小企業関係法制・制度等の整理統合・合理化を図るとともに、各種申請手続等を更に簡素化・迅速化すること。
5.中小企業の経営の革新および創業の促進を図るため、創業の意義および必要性に対する国民の関心および理解の増進に努め、企業家精神の涵養のための教育分野における取組みを強化するとともに、ベンチャー企業と投資家を適切に結びつける資本市場制度等の整備、資金の円滑な供給、十分な情報の提供など必要な施策を適確に実施し、中小企業者や創業者等の自立意欲を一段と喚起するよう努めること。
6.経済の多様化に伴い中小企業・ベンチャー企業政策として税制の役割は益々増大していることに照らし、事業継承税制や各種ベンチャー税制等について、早急にその見直し・改善を図ること。
7.中小企業者に不当な不利益を与えるなどの不公正な取引を排除するため、独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法および建設業法を、元請下請関係の実態などに十分に留意しつつ、厳正・迅速に運用すること。
8.中小企業者以外の者の事業活動による中小企業者の利益の不当な侵害を防止するため、分野調整法等の調整制度を遵守し、中小企業の事業活動の機会の適正な確保に努めること。
9.地域経済における中小企業の重要性にかんがみ、地方公共団体が地域の特性に応じた柔軟な中小企業関連施策の実施が可能となるよう、使いやすい施策メニューを提示する等格段の工夫を図るほか、民間能力の活用も含め地方公共団体の対応能力の向上を促すように十分配慮すること。
10.新たな中小企業施策の実効を期するため、商工会議所、商工会等各種中小企業団体の組織および人材の再活性化を図るよう、必要な措置を講ずること。
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